築古戸建てを購入するとき、多くの人が気になるのが「リフォーム費用はいくらかかるのか」という点です。
物件価格が安くても、購入後に修繕費が大きくかかれば、想定していた利回りは簡単に崩れます。
そのため、築古戸建て投資では、
物件価格よりも、購入後を含めた総額で考えること
が重要です。
この記事では、築古戸建てのリフォーム費用を考えるときのポイントを、戸建て大家目線で整理します。
リフォーム費用は物件ごとに大きく違う
築古戸建てのリフォーム費用には、明確な正解はありません。
なぜなら、
- 築年数
- 建物の広さ
- 劣化状況
- 水回りの状態
- 屋根や外壁の状態
- どこまで仕上げるか
- DIYするか業者に依頼するか
によって費用が大きく変わるからです。
同じ300万円の戸建てでも、「ほぼ清掃だけで貸せる物件」と「水回り、屋根、床まで大きく直す必要がある物件」では、最終的な投資額はまったく違います。
まず「絶対に直す場所」を分ける
内見時には、修繕箇所を3つに分けて考えると整理しやすいです。
1.必ず直すところ
そのままでは入居募集できない部分です。
例えば、
- 雨漏り
- 水漏れ
- 壊れた給湯器
- 使用できないトイレ
- 腐食した床
- 壊れた窓や鍵
- 危険な電気設備
など。ここは基本的に削れない費用です。
2.できれば直したいところ
直せば入居者に選ばれやすくなる部分です。
例えば、
- 古いクロス
- 畳
- 襖
- キッチンの見た目
- 洗面台
- 照明
- 建具
など。予算と家賃のバランスを見ながら判断します。
3.後回しでもいいところ
見た目を良くするためだけの工事や、現在問題なく使える設備の交換です。
賃貸物件では、すべて新品にする必要はありません。使える設備まで交換すると、投資効率が悪くなることがあります。
内装費用は積み重なる
築古戸建てでは、ひとつひとつは小さな工事でも、数が増えると大きな金額になります。
例えば、
- クロス
- クッションフロア
- 畳
- 襖
- 障子
- 網戸
- 建具調整
- 室内クリーニング
など。
「少しずつ直せばいい」と思っていても、全部合わせると想像以上になることがあります。内見時には、部屋ごとに修繕箇所をメモしておくのがおすすめです。

水回りは費用が大きくなりやすい
特に注意したいのが、
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面所
- 給湯器
です。
水回りを一式交換すると、総額が大きくなります。そのため、本当に交換が必要なのかを確認することが大切です。
例えば、キッチン本体が古くても、
- 扉だけ補修
- 水栓交換
- 換気扇交換
- 清掃
などで十分使えるケースもあります。
賃貸物件では「新品かどうか」より、「清潔で問題なく使えるか」を重視した方が収支を合わせやすいです。
屋根・外壁は高額修繕に注意
戸建て特有の費用として、
- 屋根
- 外壁
- 雨どい
- 軒裏
- ベランダ
があります。
これらは工事範囲が大きいため、修繕費が高くなりやすい部分です。室内がきれいでも、外回りに大きな修繕が必要なら注意が必要です。
購入前に、「すぐ直す必要があるのか」、「数年後でもいいのか」を分けて考えます。
シロアリ・床下の修繕も確認する
築古木造戸建てでは、床下の状態も重要です。
シロアリや腐食があると、
- 床材
- 根太
- 大引
- 柱
などの修繕が必要になる場合があります。
床がフワフワする、沈む、湿気が強いといった症状がある場合は注意しましょう。
DIYはどこまでやる?
築古戸建てでは、DIYで費用を抑える方法もあります。
例えば、
- 塗装
- クロス
- 庭の手入れ
- 清掃
- 簡単な設備交換
などは、自分で対応する大家さんもいます。
ただし、すべてDIYにすると時間がかかります。その間、入居募集が遅れれば家賃収入も入ってきません。
そのため、DIYで節約できる金額と、完成までにかかる時間の両方を考えることが重要です。
リフォーム費用だけで判断しない
リフォーム費用を考えるときは、購入価格+諸費用+リフォーム費用で総額を出します。
例えば、物件価格が250万円でも、
- 諸費用
- 残置物処分
- リフォーム
- 火災保険
- 入居募集費用
などを含めると、実際に必要な資金はもっと多くなります。
そこで初めて、想定家賃に対して投資額が妥当かを考えます。
購入から引渡しまでの全体像は、築古戸建て購入の流れ|問い合わせから契約・決済・引渡しまででも確認できます。
「直せば高く貸せる」とは限らない
注意したいのは、リフォームにお金をかければ、その分家賃を上げられるとは限らないということです。
周辺の家賃相場が6万円なら、200万円かけて豪華にリフォームしても、8万円で貸せるとは限りません。
そのため、工事前には周辺の戸建て賃貸を確認します。
- 同じくらいの広さ
- 同じエリア
- 同じ駐車条件
の物件が、どのくらいの家賃で募集されているかを見ます。
利回りと支出を合わせて考える方法は、表面利回りだけで選ばない|築古戸建ての収支シミュレーション入門も参考にしてください。
購入前に見積もりを取る
気になる物件が見つかったら、可能であれば購入前にリフォーム業者へ相談するのがおすすめです。
少なくとも、
- 水回り
- 屋根
- 外壁
- 床
- 電気
など、大きな費用がかかりそうな部分だけでも概算を把握しておくと、購入判断がしやすくなります。
予備費を持っておく
築古戸建てでは、購入後に想定外の不具合が見つかることもあります。
そのため、見積もり金額ぴったりで資金計画を立てるのではなく、予備費を残しておくことが重要です。
購入直後に、「予定していなかった給湯器交換」「排水トラブル」「雨漏り」などが発生しても対応できる余裕を持っておきましょう。
内見前に、候補物件を一次診断
所在地・販売価格・土地と建物の面積・建築年・間取り・駐車台数を入力し、内見前の検討材料を整理できます。無料・登録不要です。 診断は参考情報です。購入前には現地確認・修繕見積もり・法令や権利関係の調査も行いましょう。
まとめ|リフォーム費用は「最低限」と「総額」で考える
築古戸建てのリフォームでは、きれいにすることよりも、安全に、問題なく、入居者が生活できる状態にすることを優先するのが基本です。
すべて新品にする必要はありません。
購入前には、
- 必ず直す場所
- できれば直す場所
- 後回しにできる場所
を分けて考えます。
そして、購入価格+諸費用+リフォーム費用の総額に対して、想定家賃が見合っているかを判断します。
工事費の会計上の考え方は、修繕費と資本的支出の違い|大家が工事費を判断するポイントもあわせて確認してください。
購入後、入居者が決まるまで空室になる場合は、空室中の戸建て賃貸の防犯対策7選|大家ができる対策を解説も参考になります。
築古戸建ては、物件価格だけではなく「購入後にいくら必要になるか」を考えて選ぶことが大切です。
