退去後の壁には、画びょう、ビス、フックなどの小さな穴が残ることがあります。小穴は補修材で目立ちにくくできる場合がありますが、壁の材質や穴の大きさを確認せずに埋めると、色や凹凸がかえって目立つことがあります。
この記事では、戸建て賃貸の大家がDIYを検討しやすい小さな穴の補修手順と、下地の交換や専門業者が必要な状態を整理します。
最初に壁の材質と傷み方を確認する
- 表面がビニールクロスか、塗装壁か
- 下地が石膏ボード、合板、モルタルなどのどれか
- 穴の直径と深さ
- 周囲を押したときに柔らかくないか
- 水染み、カビ、浮き、ひび割れがないか
- 壁の中に配線や配管がありそうな位置ではないか
一般的な室内壁に多い石膏ボードは、石膏の芯材を紙で包んだ建材です。一定の防火・遮音性能がある一方、点の衝撃や水分には注意が必要です。DAIKEN「石膏ボード」
DIYを検討しやすい範囲
- 画びょうや細い釘の小さな穴
- ビスを抜いた後の数mm程度の穴
- 壁紙表面の小さなめくれ
- 下地が固く、周囲に水染みや大きな割れがない
穴の大きさだけでなく、周囲の強度と原因を見ます。手のひらほどの穴、石膏ボードが崩れている部分、下地まで割れている部分は、小穴用補修材だけでは支えられません。
業者へ任せたい状態
- 穴が大きい、または複数がつながっている
- 壁を押すと沈む、粉が多く落ちる
- 雨漏りや水漏れの跡がある
- カビやにおいが広がっている
- 電気配線や配管の近くで損傷している
- 防火・遮音性能が求められる区画
- 部分補修では内見時に大きく目立つ
水分や下地の損傷がある場合は、表面だけを埋めると原因を隠してしまいます。先に雨漏りや配管、結露などの原因を確認します。
小穴補修で用意する物
- 壁材に合う小穴用補修材
- 細いヘラまたはプラスチックカード
- 乾いた布と綿棒
- 細目のサンドペーパー(製品が研磨可能な場合)
- 床と幅木を守る養生シート・テープ
- 仕上がり確認用のライト
補修材は「壁紙用」「石膏ボード用」「塗装壁用」で仕上がりが異なります。色だけで選ばず、対象となる下地と、乾燥後に研磨・塗装できるかを製品表示で確認します。
小さなビス穴を補修する手順
1.ビスやフックを安全に外す
壁を広げないようにまっすぐ外し、金具が途中で折れていないか確認します。固い場合や配線器具の近くは無理に引き抜きません。
2.周囲を清掃する
浮いた壁紙や粉を無理に引っ張らず、乾いた布やブラシでほこりを落とします。濡れたまま補修材を入れないようにします。
3.補修材を少量ずつ入れる
製品の説明に従い、穴の内部へ補修材を入れます。一度に盛り過ぎず、ヘラで周囲となじませます。乾燥で少し痩せる製品は、完全に乾いてから必要に応じて重ねます。
4.乾燥後に表面を整える
指定された乾燥時間を守り、研磨できる製品だけを細目のペーパーで軽く整えます。壁紙の凹凸を削らないよう、補修部分を広げ過ぎないことが大切です。
壁紙の凹凸と色差に注意する
白い壁紙でも、経年変化、日焼け、汚れ、表面の柄によって色は同じではありません。真っ白な補修材を広く塗ると、穴より補修跡が目立つことがあります。
- 補修範囲を必要最小限にする
- 目立たない場所で色と乾燥後の質感を試す
- 離れた位置と斜めからライトを当てて確認する
- 広い範囲を均一に見せたい場合は壁紙の一面張り替えを検討する
壁紙表面だけの小さな傷なら、模様になじむ補修テープなどが適する場合もあります。製品の対象素材と、退去後の仕上がり基準に合わせて選びます。
補修後に記録する
- 補修前・作業中・補修後の写真
- 部屋名と壁の位置
- 穴のおおよその大きさ
- 使用した補修材の商品名と色
- 乾燥後に再確認した日
- 原因が入居設備や下地に関係するか
補修跡は乾燥後や自然光で見え方が変わります。作業直後だけで判断せず、翌日以降に斜め方向から確認すると仕上がりを判断しやすくなります。
小穴補修に使いやすい水性パテ
画びょう穴やビス穴など、下地に大きな損傷がない小さな穴には、室内壁用の水性パテが使いやすいです。セメダイン かべパテ HC-121は、壁の穴やひび割れ補修、壁紙を貼る前の下地調整に使える候補です。深い穴は一度に盛らず、数回に分け、十分に乾燥させてから研磨します。
壁の内部まで割れている、穴が広い、石こうボードが崩れている場合は、パテだけで隠さず下地の補修を検討します。
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まとめ
画びょうや小さなビス穴はDIYで補修できる場合があります。壁の材質、穴の大きさ、周囲の強度を確認し、対象素材に合う補修材を少量ずつ使うことがポイントです。
大きな穴、水染み、カビ、配線付近、下地の崩れがある場合は表面だけで隠さず、専門業者へ相談します。DIYと業者の線引きは築古戸建てで大家が自分でできるDIY・修繕10選も参考にしてください。

