空室の湿気は、におい、結露、カビ、内装材の傷みにつながることがあります。ただし、巡回した日の感覚だけでは、季節や部屋ごとの違いを比べにくいものです。小型の温湿度計を置くと、状態を数値と写真で残せます。
温湿度計は原因を特定する機器ではありません。数値の変化を見て、換気不足、雨漏り、水漏れ、日当たり、外気の影響などを詳しく確認するきっかけとして使います。
空室管理で温湿度計を使う目的
- 巡回ごとの温度・相対湿度を比較する
- 北側の部屋、収納、1階と2階の差を見る
- 換気前後の変化を記録する
- 結露やにおいが出た時期と数値を照らし合わせる
- 管理会社や修繕業者へ状態を説明する材料にする
一度の数値だけで正常・異常を決めず、同じ場所・同じ条件で記録を重ねることが大切です。
温湿度計を選ぶポイント
- 温度と相対湿度が同時に見やすい
- 最高・最低値を記録できる
- 日付や時刻と一緒に記録しやすい
- 電池交換が簡単で、電池切れ表示がある
- 複数の部屋を比べるなら子機や複数台を使える
- 遠隔型は通信環境、電源、月額費用を確認できる
高機能であることより、巡回のたびに同じ方法で確認できることを優先します。空室に置きっぱなしにする場合は、電池の液漏れや盗難、内見時の見栄えも考えて設置します。
正しく測りやすい設置場所
温湿度計メーカーのタニタは、直射日光やエアコン・加湿器などの風が直接当たる場所を避け、センサー部の空気の流れを妨げないよう案内しています。タニタ「温湿度計の基礎知識と活用法」
- 直射日光が当たらない
- エアコンや換気口の風が直接当たらない
- 窓ガラスや外壁へ密着させない
- 水がかからず、結露水が落ちない
- 棚の奥など空気が動きにくい場所へ押し込まない
- 巡回時に同じ位置で確認できる
窓際、床面、天井付近は部屋中央と数値が違うことがあります。比較のために測る場合は、毎回同じ場所・同じ高さにそろえます。
置く場所は一か所で十分とは限らない
戸建てでは、北側の部屋、1階の収納、洗面所周辺などで湿気の出方が異なることがあります。最初は居室の代表地点に一台置き、においや結露が気になる場所があれば一時的に追加して差を見ます。
収納内部を調べるときは、温湿度計を壁や荷物に密着させず、センサーの通気を確保します。床下や屋根裏は転落、害虫、粉じん、配線などの危険があるため、無理に入らず専門業者へ相談します。
数値は写真と一緒に記録する
- 測定日と時刻
- 天候と外気の様子
- 部屋名と設置位置
- 温度と相対湿度
- 換気前・換気後の数値
- 結露、におい、壁紙の浮きなどの有無
国土交通省の資料では、空き家の管理として定期的な通気・換気や、雨漏り・カビの確認が挙げられています。温湿度計の数字だけでなく、目視とにおいの記録を一緒に残します。
湿度が高い状態が続くとき
- 窓や壁に結露がないか確認する
- 雨漏り、水漏れ、排水トラップ周辺を確認する
- 家具や残置物が壁へ密着していないか確認する
- 安全を確保したうえで換気し、前後の変化を見る
- 原因が分からない、カビが広い場合は専門業者へ相談する
国土交通省の住宅資料でも、空気は温度が下がると保持できる水蒸気量が減り、結露が生じる仕組みが説明されています。室内の相対湿度だけでなく、窓や外壁の冷え方も関係します。住宅の省エネルギー設計と施工2023
無人運転の除湿機には注意する
除湿機を置く場合は、電源契約、排水方法、転倒、フィルター、発熱、取扱説明書の連続運転条件を確認します。タンク式を長期間放置すると満水で停止するため、温湿度計を置いただけで安心せず、巡回と原因確認を続けます。
巡回記録に使いやすい温湿度計
空室巡回では、温度と湿度を同時に確認でき、表示が読み取りやすい据え置き型が使いやすいです。タニタ TT-558は、巡回時に数値を写真へ残したい場合の候補です。設置するときは直射日光、窓際、換気口の風を避け、毎回同じ位置で確認します。
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まとめ
空室の温湿度計は、直射日光や空調の風を避け、空気が動く場所へ置きます。一回の数字ではなく、同じ場所で継続して測り、天候、写真、におい、結露の有無と一緒に記録することが重要です。
巡回時の記録方法は空室巡回チェックリスト、持参する道具は空室巡回の持ち物リストもあわせて確認してください。

